行為とアフォーダンス

ヒトの行為は何によって制御されるのかという問題を論じると、その要素のひとつに必ずといっていいほどアフォーダンスという概念が挙げられます。

アフォーダンスという言葉は、生態心理学の一派であるジェームス・ギブソンが生涯をかけてたどり着いた概念です。

アフォーダンスとは行為者に対して環境が提供する行為の可能性についての予見的情報のことをいいます。

例えば、十分な広がりをもち、かつ十分な強度をもつ地表面は、行為者やその他有機体に対して、立つ、歩く、走るという行為や身体の支持といった行動をアフォード(afford : 〜できる、〜与える)します。

獲物は捕食者にアフォードし、道具はそれに固有の身体運動をアフォードするというように、アフォーダンスは行為者と環境の刻々と変化する関係のなかの、持続的に不変な関係の群によって与えられる可能な行為のセットというわけです。

したがって、アフォーダンスは環境と行為者の間の機能的な関係の法則性をもって語ることができます。

例えば、環境と行為者の身体サイズの関係にみられる法則性であり、動きや力のやり取り、すなわち、環境と行為者の動的な関係のなかの法則性です。

つまり、「高さ」は行為者に対していかなる行為も導きませんが、「身体に対して適切な高さ」をもったもの、例えば段差は、登りや降りの行為を導きます。

ある行為が成功されるためには、その行為は先立って制御される必要があり、行為を達成するにはいかなる行為が可能で、それがいかなる結果を生じるかを近くしなければなりません。

これは生態心理学的アプローチから言えば、行為に先立った制御にはアフォーダンスの知覚が必要であるということになります。

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