カップリングモーションとは脊柱の運動時、メインとなる動き以外の動きのことを指し、簡単に言えば脊柱の連動パターンのことです。
カップリングモーションが起こる理由としては、椎間関節の形状によって起こるとされていますが、まだはっきりとカップリングモーションについて解明されていないため姿勢を見る上の評価の一つとして考えることができます。
パターンとして脊柱を順番に見ていくと、頸椎1番2番、頸椎その他、胸椎、腰椎でパターンが異なります。
どのような連動パターンがあるかご紹介します。
頸椎1番2番、頸椎その他
頸椎1番2番は環軸関節といい、主に回旋運動を担っています。
この環軸関節は頸椎屈曲・伸展位どちらにおいても側屈と回旋は反対方向に起こり、簡単に言うと、右に首を傾げたら目線が少し左上に行きます。
その他の頸椎は屈曲・伸展が主な作用です。
その他の頸椎は屈曲・伸展時どちらにおいても、側屈と回旋は同じ方向に起こります。
よって、首を右に傾げたら、首の骨は右に回ってきます。
このことから、頸椎1番2番において右回旋の可動域が少なくなると、左側屈も制限されます。
胸椎・腰椎
脊柱は生理的湾曲というS字カーブを描いており、頸椎前弯、胸椎後弯・腰椎前弯・仙椎後弯しています。
胸椎の場合は伸展位では側屈と回旋は反対向きにおこります。
生理的湾曲と屈曲位の場合、側屈と回旋が同じ向きに起こります。
腰椎は屈曲位では側屈と回旋は同じ方向に、生理的湾曲と伸展位では反対の向きに起こります。
このことから、脊柱全体を生理的湾曲時に左回旋すると胸椎左回旋・左側屈、腰椎左回旋・右側屈となります。
頸椎を含めたパターンで言うと、脊柱生理的湾曲時左回旋を行うと、頸椎左回旋・右側屈、胸椎左回旋・左側屈、腰椎左回旋・右側屈となります。
このカップリングモーションは回旋の動きがメインになってくるので、動作を見る上では重要です。