熱産生と熱喪失

生体の熱産生(heat production)は、肝臓と骨格筋における物質代謝に伴う化学反応によっています。産生された熱は、血液循環によって、全身に伝えられます。その他の熱源としては、温かい飲食物があります。熱は常に産生と喪失が随伴していますが、この熱喪失が熱産生より大きくなると、

  • 発汗の減少(reduced sweating):皮膚からの熱喪失を防ぐ。
  • 代謝亢進(metabolism increases):とくに肝臓における代謝が高まり、熱産生を増やす。
  • 血管収縮(vasoconstriction):皮膚小動脈の収縮によって、皮膚表面からの熱喪失を防ぐ。
  • 身震い(shivering):不随意の筋収縮によって、熱産生を防ぐ。

が起こります。

熱の喪失

それに対して、熱喪失は、主として皮膚を通じて、血液からの放射(radiation)、対流(convection)、伝導(conduction)によって起こります。これらは受動的な熱喪失の機序となります。その他に、尿、便、呼気からも熱は失われます。積極的な熱喪失の機序に蒸発(evaporation)があります。発汗による(sweating perspiration)による水の蒸発によって、約580cal/gの熱が放散されます。汗が皮膚上に液体として認められる前に蒸発する場合を不感蒸散(insensible perspiration)といいます。大気温が高いときには、熱喪失の90%以上が発汗によって行われます。

熱産生が熱喪失より大になると、

  • 発汗の増加(increased sweating):蒸散による皮膚からの熱放散を増やす。
  • 血管拡張(vasdilatation):皮膚の小動脈の拡張によって、皮膚表面からの熱喪失を増やす。

が起こります。

運動による発汗は、エクリン腺の分泌物であり、98%が水であり、食塩0.3%、乳酸0.07%、尿素0.03%、微量のアンモニアを含んでいます。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

閉じる