テニス肘にみられる肘伸展制限
テニス肘の疼痛部位のうち、肘前腕外側顆から前腕伸筋側部の疼痛が多くの症例において観察され、多裂筋、前鋸筋、肩甲下筋、上腕三頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、回外筋 、長橈側手根伸筋、短橈骨手根伸筋、及び指伸筋は多くの症例において筋硬結が検出されたと報告があります。
これはいわゆるテニス肘の痛みを訴える選手に特徴的である症状ともいえるでしょう。
筋・筋膜牲疼痛症候群やFibromyalgia症候群などは、痛覚過敏部位をともなう筋硬結を呈す。
筋肉痛を主訴とする筋・筋膜牲疼痛症候群やFibromyalgia症候群などは、痛覚過敏部位をともなう筋硬結を有します。
その痛覚過敏部位は通常「Trigger point」と呼ばれ、圧迫すると遠隔部に関連痛を発します。
関連痛が生じる領域は痛覚だけを生じるのではなく、引きつり感などの異常感覚を生じることもあります。
筋硬結の痛覚過敏部位を適切に圧追すると、痛みや異常感覚を生じる関連領域では自律神経症状をも誘起することができると言われており、さらにその領域では免疫機能不全などの諸症状も生じるといわれています。
交感神経機能の異常により起こった血管収縮による血行障害が原因。
筋硬結の発生機序の仮説の一つに、交感神経機能の異常により起こった血管収縮による血行障害が、Travellらにより挙げられています。
その関連領域に自律神経症状が出現するならば、その領域の血液循環不全が想定され、血行不全が原因といわれる筋硬結が新たに発生することが想像に容易いものとなります。
テニス肘における関節可動域制限で伸展制限が多いことは筋硬結を含む筋に筋痩攣が起こりやすく、その発現を予防するためその筋の伸張肢位を保持するためによる可能性も示唆されます。
このことからテニス肘にみられる伸展制限は発痛を予防する肢位とも考えられています。
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