嚢胞性病変であるガングリオン

手関節の周囲に好発する嚢胞性病変であるガングリオンというものをご存知ですか?
ガングリオンは、関節包や腱鞘などから生じ、ゼリー状の粘性物質を内包する腫瘤で、特に若い女性に多く見られると言われています。
このガングリオンですが、詳しい原因は不明ですが、発症の要因としては外傷性のものや手の使い過ぎなどからの発症が起因しているのではないかと考えられています。

滑液がガングリオンの嚢胞の中に入って濃縮され、それがゼリー状になることで貯留しているもの。

症状の典型例は、手関節背側に生じるもので、他の関節では手関節の母指側掌側やばね指が生じている指の付け根の掌側に生じやすかったりします。
この疾患は嚢胞性であるのが特徴ですが、単胞性の場合もあれば、多胞性の場合もあるとされています。
基本的な病態としては、滑液がガングリオンの嚢胞の中に入って濃縮され、それがゼリー状になることで貯留しているものと考えられています。
ガングリオンによって、神経や腱が圧迫されるようになると、疼痛や違和感を感じる事にもなりしびれや感覚障害が生じるケースも有りますが、その多くは無症候性であることが多いとされています。

症状がない場合は、経過観察でも心配ない。

ガングリオンの治療ですが、症状がない場合は、経過観察でも心配ないと考えられています。
しかしながら、大きくなっていくもの、痛みが強いもの、神経症状がでだしているものについては、治療の対象となります。
主な治療方法としては、針穿刺によって可能な限りゼリー状の内容物を吸引し、穿刺後は圧迫固定をするのが良いとされています。
また、このような場合でも再度貯留がみられるようなケースは、ガングリオンの茎を含めた摘出手術を行うこともあります。
しかしながら、症状が強いケースだけの治療が殆どで、全体の30%強は自然に消失するというように言われています。

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