筋膜

筋膜組織は、身体全体の可動部位を統合し支持しています。

靭帯とは異なり、筋膜は1つの関節を結びつけるのではなく、1つの骨から他の骨へ小さな空間を交差するように走行します。また、筋膜組織は3次元のクモの巣のような構造で頭の先から爪の先まで、浅層から深層まで身体全体に張り巡らされています。それらは全身の動作パターンを補い合うように縦横に配置されており、ストレスを分散させる動的な構造となっています。筋膜は筋の作用と密接に関係し、筋収縮の効果を高めます。また、筋の共同作用など生体力学的連鎖や支持性に関与しています。

筋膜構造の一部は筋鞘を包含しています。筋鞘は、筋に対して支持や圧を与えることで、筋の収縮や隆起に際して水圧のような効果を作り出し、より緊張の強い部分へ筋膜のラインを引っ張ります。自然で機能的な動作やストレスに関わる全ての筋膜ラインに支持性や張力を与えています。身体のいたる所に筋膜のラインが伸びているので、1つの筋の収縮が収縮部位とは離れた部位へ影響を与えることができます。中枢神経系は、運動プログラム中で、動作(action)のなかで補完しあう筋のグループを協力筋として認識します。この同じ筋のグループを連結し、力学的に補完しあう関係を構築しています。

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