生体リズムと食事

私たちの生活する環境では、24時間の周期で明暗、気温、湿度などが変動しています。これに伴い生体機能は日内リズムを生じており、それを概日リズム(サーカディアンリズム)といいます。

日内リズムを支配する環境因子

ヒトの日内リズムは、循環器系の機能は夕方に、副腎機能、成長ホルモン、好中球細胞数は入眠直後にピークになるように種々の生理機能や代謝物濃度が各々異なる時間に高まり、摂取した栄養素を合理的に体内利用しています。日内リズムを支配する環境因子として、昼夜による明暗リズムが重要ですが、摂食パターンによる制御は特に栄養素の消化、吸収、代謝機能に対して大切です。

夜行性動物のラットは夜間に摂食を行うため、種々な代謝活性も夜に高まります。自由に摂食させた場合、小腸の絨毛の上皮細胞膜に存在する糖質消化酵素のひとつであるスクラーゼ活性は、小腸絨毛上の先端部分からクリプト部分全域の細胞において、夜間に高く、昼に低い値を示します。しかし、明暗条件を変えずに昼に強制的に摂食させると、スクラーゼ活性のピークは逆転します。同様の現象は、他の消化酵素ならびにアミノ酸、グルコースの能動輸送能力にも観察されます。

食事摂取時期に対応した日内リズム

絶食しても2〜3日間はリズムが継続することなどから一種の適応現象だといえます。糖質代謝に関与する副腎皮質グルココルチコイドの血中濃度も、食事摂取時期に対応した日内リズムを形成しており、ヒトでは起床前に最も高いレベルを示します。一方、体温も一般的に早朝は最も低く、夕方最も高くなるといったリズムを示しますが、このリズムも食事摂取に同調することがわかっています。

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