脂肪のエネルギー代謝

脂肪を燃やせとよくいいますが、では実際の脂肪の分解機序はどのようなのかを知らない方は多いかと思います。
脂肪が燃えるためには脂肪組織のホルモン感受性リパーゼが活性化されて、中性脂肪(トリグリセリド)が分解され、脂肪酸が、血液中をアルブミンと結合した遊離脂肪酸として運ばれます。

脂肪酸のエネルギー化

脂肪酸は、心筋・骨格筋に於いてカルニチンと結合してミトコンドリア内に輸送され、「β-酸化」により分解されてアセチル-CoAとなります。アセチル-CoAは、TCA回路(クエン酸回路)に導入され、NADH2+などが生成されます。脂肪酸分解(β-酸化)や、アセチル-CoAのTCA回路での代謝により生成されるNADH2+などは、呼吸鎖で酸化されATPが生成されます。
なお、脂肪酸は、心筋や骨格筋ではβ-酸化によりアセチル-CoAに分解された後、さらにTCA回路で代謝され、二酸化炭素と水にまで分解されますが、肝臓ではβ-酸化によりアセチル-CoAに分解された後、ケトン体に生成されます。
それから、脂肪酸からは、グルコースは合成できません。

エネルギー不足時の糖新生

エネルギー不足時に糖新生が行われる際には、肝臓のミトコンドリア内では、脂肪酸分解(β-酸化)によって生成されるNADH2+濃度が上昇するので、脂肪酸分解によって生成されるアセチル-CoAは、TCA回路で酸化分解されず、ケトン体生成が盛んに行われます。
脂肪酸分解によりミトコンドリア内のアセチル-CoA濃度が上昇し糖新生が行われると、オキサロ酢酸はホスホエノールピルビン酸(PEP)に変換されるので、肝臓ではアセチル-CoAがクエン酸となってTCA回路で酸化分解される方向には代謝は進まなくなります。
中性脂肪の分解に伴い生成される、グリセロール(グリセリン)は、肝臓で、グルコースに糖新生されます。

複雑ですが、脂肪を燃やすとはどこまでいっても脂質代謝の話ですので、わかっておくにこしたことはないですね。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

閉じる