仙腸関節安定性と梨状筋

今日は、仙腸関節安定性と梨状筋について考えていきます。

仙腸関節の安定化については、『「仙腸関節の安定化作用」について考える。』をご覧ください。

仙腸関節は構造的な要素によって得られる安定性(form closure)と筋、腱、筋膜などの張力によって得られる安定性(force closure)がお互いに均衡、補完しあって安定性を作り出す代表的な関節であり、formの破綻や負荷の強さをforceで代償するという方略がよく見られる関節です。

これは、安定性の上に運動性が要求されるためです。

静止立位や座位ではformの要素で問題ないと言われていますが、運動性が増すと、より強力な関節の圧縮や安定化が必要になります。

多くの筋や靭帯がこうした力による安定化に関わり、大殿筋や大腿二頭筋はもちろんのこと、広背筋、僧帽筋、腹斜筋群、梨状筋、横隔膜、骨盤底筋群など多数あります。

構造的な破綻には例えば、腸骨アライメント不良や脚長差による骨盤非対称などさまざまありますが、こうした破綻が上記の筋活動を過剰にさせます。

その中でも梨状筋は、仙腸関節前方関節包に付着しているという構造や大坐骨孔を通り、大転子の上方へと走行し股関節外旋作用をもつという側面から仙腸関節不安定性に対する代償として過活動を要求されることの多い筋です。

その結果として、大腿骨の前方変位を引き起こすとともに、筋の不均衡がさらなる骨盤・股関節部のアライメント不良へとつながっていきます。

したがって、梨状筋の活動を評価する際には、仙腸関節の安定メカニズムにもよく注意する必要があるでしょう。

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