足関節の機械的不安定性と機能的不安定性

距腿関節の代表的な機能障害として、関節不安定性があります。

距腿関節は、靭帯の断裂や過伸長によって脛骨、腓骨、距骨との間に不安定性が生まれます。

距腿関節に頻繁に起こる足関節捻挫は不安定性を引き起こす代表的な障害であると言えます。

捻挫によって引き起こされる慢性的な足関節不安定性は、機械的不安定性と機能的不安定性にわけられます。

機械的不安定性とは、関節を保護・補強している靭帯の損傷により、関節可動域・関節運動に異常が起こっている状態です。

距腿関節の機械的不安定性では、下腿骨に対して距骨が不安定になりますが、距骨には筋が付着していないため、靭帯損傷により、制御能が失われるため、不安定性が惹起されます。

一方、機能的不安定性は機械的な損傷は見られないものの、関節運動に異常が起きている状態です。

機能的不安定性は、神経筋コントロールや運動調節系の問題であると考えられています。

機能的不安定性では、反復性の捻挫や脱力を訴え、その原因は固有受容器の機能低下や筋の反応速度の低下、平衡感覚の異常などがあります。

筋、腱、靭帯、関節包に分布している固有受容器は、軟部組織損傷によって機能が低下するため、足関節捻挫が大きく影響することが明らかです。

機能的不安定性は必ずしも機械的不安定性と併発するわけではありませんが、機能的不安定性のある足関節のうち3割異常に機械的不安定性が認められると言われています。

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