睡眠時無呼吸による呼吸の断片化

筋緊張が低下すると、睡眠が乱れ、いびき、あるいは頻繁な呼吸停止という重大な睡眠障害である睡眠時無呼吸のような症状が起こります。
男性に多く、日本では5人に1人にものぼると言われています。さらに65歳以上になると、その割合はさらに増加します。

睡眠時無呼吸の症状

睡眠時無呼吸の症状は深刻で、睡眠が中断されるだけではなく、日中の過度の眠気、早朝の頭痛、憂鬱、いらいら、性機能不全、学習記憶障害などを引き起こします。
ひどい場合は心機能に異常をきたし、生命に危険が及ぶ場合もあります。

睡眠時無呼吸の最も一般的なものは閉鎖性睡眠時無呼吸であり、咽頭部の物理的閉塞から生じます。
これは呼吸が10秒以上停止され、少なくとも1時間に5〜10回繰り返されます。

中枢性睡眠時無呼吸では、呼吸の中断は神経学的原因によります。

どちらの睡眠時無呼吸でも、血中の酸素分圧の減少と二酸化炭素の増加が覚醒反応を引き起こします。
無呼吸の状態は深呼吸とともに終わり、患者はより深い睡眠に戻りますが、このサイクルを再び繰り返します。
このような睡眠の頻回な中断は睡眠の断片化を招き、一般的に睡眠の質を低下させ、日中の眠気を引き起こします。

レム睡眠との関係性

睡眠時無呼吸の患者は通常、無呼吸時に完全に目覚めていないため、問題にまったく気づかない可能性があります。その結果として起こる昼間の眠気や無呼吸発作を目撃している友人や配偶者からの注意ではじめて気づきます。

この疾患は一般的に睡眠検査室で容易に診断されます。

レム睡眠は筋緊張の特徴的な低下を起こし、気道の閉塞を加速するため、睡眠時無呼吸に特に関係します。
レム睡眠中は、低酸素状態への応答は減少し、二酸化炭素濃度の増加への応答は完全に失われます。
さらに、血中の酸素と二酸化炭素の濃度は、それらを制御する脳幹の作用機構が弱まることにより、覚醒時では耐えられないようなレベルに達します。

肥満は、咽頭部を通る気流を減少させるため、閉塞性睡眠時無呼吸の増悪因子といえます。
閉塞性睡眠時無呼吸は、フェイスマスクを介した陽圧の空気で咽頭を開いた状態に保つ装置で行います。
この処置により、症状のほとんどが直ちに回復し、より安らかな睡眠が得られ、昼間の眠気は減ります。
しかし、持続的に使用ができないほどの不快感や閉所恐怖感などの理由で、実際にはほとんどの患者が次第にマスクを使用しなくなります。

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