片頭痛の原因

片頭痛は、有病率は高いですが医療機関への受診率は低く、かつ必ずしもすべてが適切な治療を受けているとはいえない疾患となります。いったん発作が起こると日常生活が著しく支障されますが、発症にセロトニンやその受容体の関与が明らかとなり、トリプタン系薬の使用で発作を抑えることが可能となりました。また発作が高頻度の場合には、ロメリジン塩酸塩をはじめとした発作予防薬の有効性も証明されています。年間有病率は8.4%で、20~40歳代の女性において特に有病率が高く、家族性に発症する傾向があります。

片頭痛発作の誘因

精神的ストレスや、睡眠不足、過度の疲労、月経、天候の変化、アルコール摂取、チョコレート・赤ワイン、チーズの摂取などが片頭痛発作の誘因となります。病態生理は確定していませんが、脳幹起源で、三叉神経を介した血管系の異常反応が関与している可能性が考えられています。この過程で、神経ペプチドであるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)やセロトニンおよびその受容体が重要な役割を果たすとされています。皮質拡延性抑制(CSD)といった神経細胞とグリア細胞の脱分極の波が大脳皮質を広がっていく現象が観察され、片頭痛の前兆の原因と考えられています。発作の数時間前から光・音過敏、悪心、後頸部の筋緊張亢進などが先行することがあり、頭痛の直前の前兆として、閃輝暗点が起こったり、感覚障害や失語性の言語障害をきたすことがあります。片頭痛の名の通り、片側性のことが多いですが、両側性のこともあります。

卵円孔開存と片頭痛の関係性

心臓は4つの部屋からなっており、まず縦の壁である心房中隔と心室中隔によって完全に左右に分けられます。さらにそこから心房と心室のふたつに分けられています。その心房中隔には卵円窩という浅いくぼみがあり、これは胎生期、つまり胎児の頃に存在する卵円孔があった名残となります。この卵円孔とは、胎生期の左右の心房をつなぐもので、これによって左右の心房は互いに交通しているということになります。これにより、体循環から右心房に戻った血液の大半は、右心室を経ることなく、卵円孔・左心房・左心室を通って体循環に流れ込みます。

なぜ卵円孔があるのかというと、左の心臓にも血液を送ってポンプとしての訓練をさせるためだと言われています。胎生期は肺が潰れており、肺循環はまだ活動していないため、卵円孔がないと左の心臓はほとんど血が送られない状態となってしまうからです。つまりこの卵円孔は、胎児の肺による呼吸作用が始まるとその役割を終えるということが分かります。そのため、多くのヒトでは成長とともに卵円孔が閉じ、卵円窩となってその名残をとどめるのみとなっています。しかし、20〜30%のヒトでは生後もいろいろな大きさで閉じずに残っていることがあり、これを卵円孔開存といいます。この卵円孔開存が片頭痛と関連しているのではないかと言われており、卵円孔の閉鎖術により片頭痛が軽減したという報告もあります。

さらにその片頭痛では、キラキラした光やギザギザした光、いわゆる閃輝暗点が見えるなどの前兆のある頭痛である場合が多いとされており、この前兆を伴う片頭痛が起こる人のうち、卵円孔が開存している人は常人に比べて6倍も多かったという研究データもあります。このように可能性があるとはいえ、推測の域を出ないものですから、病院で検査をするのが一番でしょう。ですが、まず疑問に思うというのはすごく良いことではないかと思いますね。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

閉じる