膝の半月板について

半月板の主な機能は、脛骨大腿関節の圧縮力の減少です。

その他の機能として、運動中の関節安定化、関節軟骨の潤滑、摩擦の減少、固有受容感覚の供給、膝の関節包内運動の誘導の補助です。

膝関節にかかる圧縮力は、通常、歩行中で体重の約2.5倍から3倍に達し、階段の昇りでは体重の4倍を超えると言われています。

これに対し半月板は、関節での接触面積を約3倍にすることで、単位面積あたりにかかる力を減少させ、関節軟骨にかかる圧力を減少させます。

最大圧力を減じるこの方法は、膝関節の保護と正常化にとって重要であると言えます。

例えば、外側半月を完全切除すると、膝関節での最大接触圧は230%にまで増大すると言われており、これは明らかに負荷増大に伴う関節炎発症のリスクを増大させます。

そもそも半月板は歩くごとに圧縮されるため、常に関節炎発症リスクを抱えているとも言えます。

圧縮された半月板は末梢方向へ変形させます。

膝関節にかかる圧縮力は、それぞれの半月板を輪状に緊張させますが、これにより圧縮力が部分的に吸収されます。

内側半月板損傷のうち後角の裂離を伴った損傷は、輪状ストレスに抵抗できなくなり、関節軟骨や骨を保護する能力が低下してしまうことがあります。

半月板損傷は最も一般的な膝関節の外傷であり、スポーツ選手や一般の人にも比較的頻繁に起こります。

また前十字靭帯の急性外傷の50%が半月板の合併損傷を伴っています。

一般に、半月板損傷は膝関節をやや屈曲したときの荷重による大腿骨の強い軸回旋に関係しています。

圧迫されている膝関節内での膝捻転は、半月板を挟み、押しのけます。

こうして押しのけられた、もしくは挟み潰された半月板は、膝関節運動を物理的に制限します。

内側半月は、外側半月の2倍の頻度で損傷します。

内側半月の損傷は、前述のような軸回旋や膝の外側面に外反力を受けることで起こります。

膝関節が過度の外反位を引き起こすと、大きなストレスが内側側副靭帯と後内側関節包にかかります。

内側半月とこれらの結合組織の間では連結があるため、膝関節にかかる大きな外反力は内側半月を間接的に伸ばし、それによって損傷が起こります。

膝関節にアライメント不良があったり、前十字靭帯損傷による不安定性があると、膝関節の半月板への損傷リスクが高まります。

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