「顎関節ストレスと姿勢」について考える

今日は、「顎関節ストレスと姿勢」について考えます。

一般に、姿勢を正すとき、頭の位置や背中の丸まりに注意することはありますが、顎の位置に注意することはあまりありません。

しかし、側頭骨と下顎骨により顎関節が構成されることから考えても、頭部の位置と顎の位置には密接な関係があると考えて良いでしょう。

例えば、慢性的な頭部の前方突出姿勢は、顎関節の関節窩における関節頭の後方変位を引き起こします。

この後方変位は、顎関節の関節円板の後方層を圧迫し、炎症や筋スパズムを引き起こす原因になります。

そのため、慢性的な頭部前方突出姿勢を呈している人は下顎を突き出す姿勢を取ることが多くなります。

これは後円板層の圧迫を回避するためと、突き出したために起こる筋スパズムが関節頭の前方変位を引き起こしているからだと考えられます。

後円板層や顎関節周辺部の感覚神経や機械受容器は、顎関節の位置覚や頭頸部の筋との協調性などを提供しているため、姿勢を評価する際は、その姿勢と下顎の関係、頭部と下顎の関係を考慮すると良いでしょう。

こちらの「姿勢と下顎の関係」や「顎関節の運動と病態力学」「不良姿勢の生体力学的動向」も合わせてご覧いただくと更に理解が深まると思います。

ではまた。

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