上腕骨遠位端骨折

上腕骨遠位端骨折は肘関節周辺の骨折では最も多く、そのなかでも顆上部・外側上顆・内側上顆の骨折が多いとされています。これらは小児に好発し、顆上骨折は鉄棒や滑り台などからの転落によることが多いとされます。

手をついて肘が過伸展される伸展位型が95%。

転落の際は、肘関節伸展位で手をついた場合、外顆骨折、内側上顆骨折などが起こりえます。上腕骨顆上骨折は、3〜8歳の幼児から学童に好発します。ほとんどが鉄棒や滑り台などからの転落です。その際、手をついて肘が過伸展される伸展位型が95%です。伸展位型では橈骨神経や正中神経が骨折部で圧迫されやすく、骨片転位が著しいと上腕動脈が損傷されることもあります。受傷時に神経麻痺や血行障害を合併しやすく、また骨折の整復位が不十分であると、将来、肘の変形をまねきます。重度の血流障害はフォルクマン拘縮の危険性があるため、注意深い観察が必要です。

小児の肘関節周辺骨折

小児の肘関節周辺骨折では、顆上骨折に次いで上腕骨外顆骨折が多いとされます。末梢骨片に前腕の筋が付着していることで骨片が転位しやすいとされ、関節内骨折であるため、整復位と固定性が不十分だと、偽関節となります。その後、成長に伴い外反肘変形をきたし遅発性尺骨神経麻痺を招きます。そのため、手術的療法が積極的に選択されます。上腕骨内側上顆骨折は、骨端線閉鎖以前の9〜14歳に多くみられる骨端核の裂離骨折です。小児の肘周辺骨折では外顆骨折に次いで多く、肘関節の脱臼を合併すると、骨片が関節内に陥入し尺骨神経障害を生じることがあります。

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