股関節のクリック音と違和感について

末端を自由にさせた一側の股関節を自動・他動的に屈曲させた際、股関節部でクリック音やガクンとする感覚が起こることがあります。

この原因のひとつに大腿骨頭の前方並進の制御不全が考えられます。

例えばSLRを見てみると、股関節伸展位から股関節を屈曲させた場合、大腿骨頭には前方並進モーメントが生まれます。

その際、股関節の安定筋と深部屈筋群が共同活動することによってそれが制御されます。

こうした制御が不完全である場合、トレーニングを実施します。

そのためにまず、実施者に正常な回転軸を認識させる必要があります。

その軸は、大転子を触知しその手への圧で判断します。

一般に正常とされる軸で動いている場合、その手に対する圧はSLR中、屈曲0°からハムストリングスの制限を受けない域まで一定であるか、または非常にわずかに増加する程度とされています。

したがって、この軸を認識させた上で動作を反復させることでトレーニングとなります。

程度によっては、膝屈曲位で足底を接地させたまま行ったり、挙上させて行ったりします。

また、寛骨臼に対して大腿骨頭を求心的に引き込むよう意識することも改善の手助けになるとされています。

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