頸椎椎間板変性と神経症状

腕の痺れや放散痛、筋力低下や感覚異常といった神経症状を引き起こす障害はさまざまありますが、頸椎椎間板変性もその原因になるかもしれません。

椎間板にはショックアブソーバーとしての機能とは別に椎骨間の相対的位置の維持という働きを持っています。

つまり椎骨は椎間板により十分な距離感をもって位置することができているというわけです。

この機能で得られるメリットの1つに、隣接する鉤状関節の負荷を軽減させることです。

鉤状関節はC3-C7の椎骨にみられる鈎状突起とその上位の椎体からなる関節で機能的には不明確ですが、頸部の運動や安定にいくらかの関与をしていると考えられています。

椎間板が変性し薄くなると、この鉤状関節にはより大きな負荷がかかるようになってしまい、この負荷の増加が骨棘形成を刺激する恐れがあります。

骨棘の形成は脊髄神経根の圧迫へとつながってしまい、種々の神経症状が出現してしまうのです。

したがって椎間板の働きは衝撃吸収だけでなく、間接的に周囲の神経根の保護という意味も持つということがわかります。

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