慢性の「コンパートメント症候群」について考える。

今日は、慢性の「コンパートメント症候群」について考えます。

コンパートメント症候群とは、コンパートメント内の圧力が局所の動脈圧を超えた状態で発生し、虚血を引き起こす病態です。

急性コンパートメント症候群と慢性コンパートメント症候群があり、スポーツ活動ではどちらの症状もみられますが、スポーツ選手に多いという意味では慢性のコンパートメント症候群がよくみられます。

急性コンパートメント症候群は、例えば骨折や筋挫傷による大量の出血や腫脹により、区画の内圧が上昇し動脈、静脈、毛細血管の障害が起こります。

これは傷害されてから数時間のうちに急激に発症します。

これに対して慢性のコンパートメント症候群は、いまだはっきりと分かっていませんが、運動によって起こる筋肥大、筋膜の肥厚や筋線維損傷による電解質放出の結果、区画内浸透圧が上昇することが原因だと考えられています。

症状は、30分程の休息で軽快しますが、疼痛やつっぱり感などがあり、疼痛には鋭利な痛みもあれば鈍痛もあるようです。

また、慢性コンパートメント症候群を有する人は急性コンパートメント症候群のリスクが高まるとされています。

さらに、慢性症状は下腿のコンパートメントで言えば前方コンパートメントに多発し、後方コンパートメントで起こることは稀だと言われています。

症状はおおよそ両側であり、ランニングや運動強度の高いスポーツの繰り返しによって起こりやすいとされています。

通常は30歳未満の若い選手に発生します。

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