トレーニング後に起こり得る急性斜頸症候群
急性斜頸症候群は、特定の原因なく生じ、片側性のこわばりと痛みを伴います。受傷機転は、一般的には非特異的ですが、上体に強いウェイトトレーニングを課すと、上肢帯の筋群が激しく使われ、その頚椎への付着部位に捻挫を生じ、翌朝頃に斜頸が生ずることがあります。
どうすると痛むか、どんな痛みかの判断が重要
朝目覚めると、首が凝っていたり、徐々に首や痛みが増すような感覚を頸部に感じ、痛みのある側への動き、特に疼痛側への回旋や側屈が制限されると考えられます。もし問題が上位頸椎にある場合は、伸展が屈曲よりも障害され、下位頸椎では逆になります。
通常では、肩や神経症状のある場所を超えて痛みが放散することはなく、このことにより症状の原因が軟部組織の機械的衝突によるものであることが伺えます。また、慢性的な肩、頸椎、上位胸椎の姿勢不良と併存していることがあり、急性斜頸自体は自然治癒するごく短期的なものですが、その原因はきわめて長期的なものであると考えることができます。治療のためには、治療すべき側とその高位を注意深く評価する必要があります。どのような動きが最も制限されているかをチェックし、どの療法が適応でどの療法は禁忌なのかを見定める必要があるでしょう。
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